野村IR「知って得する株主優待」編集室で作成している「株主優待実施状況レポート」から、株主優待の最新情報をお届けします。※2020年10月末日現在
株主優待実施銘柄の推移
株主優待実施銘柄数は、1992年の調査開始以来、順調に推移してきました。2009年、2010年に一度落ち込んだものの、その後再び増加しつづけ、2019年には過去最高の1,532件を記録。ですが、2020年10月末日現在は廃止銘柄の増加により、1,522件となりました。
新設銘柄に占める上場1年以内の銘柄数(年度別)
新設銘柄のうち上場1年以内の銘柄は長らく2割前後で推移してきましたが、2020年10月末日現在は41%と、例年より増えています。今後の動向に注目が高まります。
新設銘柄数と廃止銘柄数の推移(年度別)
2008年度から2009年度を除き、2019年度までは新設銘柄の数が廃止銘柄を上回る傾向が続いてきました。ところが2020年度は、廃止銘柄が新設銘柄の倍近くまで増加しています。その主な理由としては、「上場廃止」「公平な利益還元」「業績悪化」が多く見られます。
株主優待種類の内訳
食料品業種や小売業などに優待実施銘柄が多いため、優待品の種類としては食品が最も多いという結果が出ています。次いで多いのは金券。自社製品を持たないBtoB企業では金券類を進呈するケースが多く見られます。
ご存じですか? 年4回、株主優待を受けられる銘柄
株主優待の権利が確定する割当基準日は、決算もしくは中間決算と同じ日を設定している企業が多いものです。
そのため、優待が受けられる回数も年に1回または2回の企業が大半です。ところがなかには、割当基準日を年4回設けている企業があります。Lib Work[1431]、ビジネスエンジニアリング[4828]、あおぞら銀行[8304]、ラックランド[9612]は、3月・6月・9月・12月の計4回。3カ月ごとに優待品が送られてくるということですね。
1,500件を超える株主優待のなかには、まだまだ知らない銘柄があるかもしれません。『知って得する株主優待』サイトでは最新情報を掲載しています。ぜひチェックしてみてください。
人気の高い優待品・サービス
『知って得する株主優待』(野村インベスター・リレーションズ発行)の読者アンケートによると、最も人気が高いのは食品。次いでカタログギフトと金券が同率2位でした。暮らしに身近なもの、便利で使いやすいものが好まれる傾向にあります。
長期保有優遇制度の導入件数(年度別)
長期保有優遇制度は、株式を保有する期間に応じて株主優待の内容がアップグレードするタイプです。株式を長く保有してもらいたいとの考えから、導入する銘柄が増えています。2020年10月末日現在、530件あり、そのうち長期限定は144銘柄あります。
社会貢献タイプの導入件数(年度別)
優待内容を選べる銘柄では、選択肢のひとつとして社会貢献タイプを導入する銘柄が増えています。2020年10月末日現在、導入銘柄数は176件になりました。
記事の内容は原則として、2020年10月末日までに公表された情報・データを基に作成しています。最新の情報や詳細についてはご自身でご確認をお願いいたします